CUVELについて

沿革

CUVEL Softwareは2006年11月にベトナムに設立したソフトウェアの会社で、日本からの仕事をベトナムで行う、いわゆるオフショア開発という分野の仕事を手がける新鋭企業である。
私も微々たるものだが出資し役員に名を連ねると共に、技術担当の責任者としてベトナム入りし、日々ベトナム人との文化の差や技術の差、業務プロセスの差異等を埋めるために奔走している。
まだ作成中との事*1だが、公式Webサイトは以下になる。
http://cuvel.com/

業務について

CUVELでは以下三本の業務を行なっている。

  1. オフショア開発
  2. 商品開発
  3. 社内開発

実際平凡な構成ではあるが、一応解説する。
オフショア開発を収益のメインとしつつ、商品開発でベトナム向けの商品も開発して投資を行い、社内開発で仕事の能率を上げていくという三本である。
このうち全く利益のならないものとして社内開発があるが、社内開発は将来的には商品開発と融合出来るよう作業を進めており、宣伝や業務の活発化以外に、CUVELの業務スタイルとしてビジネス化するという方向も将来的には行なっていく予定である。
収益メインが現状オフショアの一本だけなので、派遣等の業務や、デザイン業務(今もやっている)の主軸化等も検討中である。

技術分野

主にオープンソース系の技術を用いたWeb案件・・を、技術の柱に据えようとしているが、いかんせんまだ一年も経過していないので仕事を選べる状況ではなく、現状はVCやC#といったWindows GUI系や、PHPJAVA系が混ざっているのが現状。
将来的には社員全員のクライアントPCをUbuntu等のLinuxに切り替え、真の発展途上国らしい運用をすると同時に、オープンソースのプロフェッショナル集団をベトナムで築き上げる予定である。現状の達成度はまだまだ。
一応、Web系の中でも以下の技術を基幹に据えている。

  1. PHP + Smarty
  2. JAVA + JSF

サブ的に、ベトナムで教育が熱心に.NET Frameworkを用いるという方向性である。
2年目以降はこれにRuby on Railsと、Python + おそらくTurbogearsを追加する予定である。
もっとも、残念ながら現状はJAVAでもStrutsばかりであったりするので、この方向性を確立することは出来ていない。今後の課題といえる。

他のオフショア企業との差異

他のオフショア企業と、値段はほとんど同じ。
また人数は2008年1月21日に10人増やして24人(または25人)にする予定だが、現状は14人程度と小さい。
このCUVELに発注を決断するためには、なんらかの他企業との差異情報が必要であろう。
今のところは以下のような差異がある。

  1. ベトナムで教育が盛んな.NET系を利用する機会は少なく、オープンソースを一から教えているためオープンソースの理解度は他のベトナム企業よりも高い
  2. 日本人PMがいるため、詳細設計以下からしかやらないオフショア企業に比べ、作業範囲が広範である
  3. CUVELの社長はデザイナー出身であり、デザインチームもいるため、デザインとの一括発注が可能
  4. 日本に代理店があるため、煩雑で高価な海外振込み作業をショートカットすることも可能

おそらく運用上最も大きな点は[2]であり、[2]があるからこそオフショアに慣れていない企業でも発注が可能になるのだと思う。
よってキャッチフレーズは「go ahead, with us」。
一緒にオフショアの開発プロセスを学び、共に成熟していきましょうという意味である。


3に関してなども、設立から1年を経た今サンプル等の掲示もしやすく、外観的にも完成されたアプリケーションを構築しやすいという点から、こちらを契機に発注してくれる企業もある。

プロジェクト管理体制

基本的にはXPをベースにしたAgileによるプロジェクト管理モデルを採用しており、2週間に1回の反復リリースを軸とした現物を見せる手法をとっている。
Agileを採用した理由はいくつかあるが、最大の理由は意思疎通の問題を克服するためである。
オフショアというものは現実的に、思った通りのものを作らせることが非常に難しい。
簡単な操作でバグが出る、速度が遅い、納期が遅れるといった問題はもちろん、仕様書の誤読または未読による仕様の食い違い等も発生しやすい。
ではウォーターフォール的な単一のリリースではなく、複数回のリリースを行なう事で現物を見ての品質チェック、進捗チェック、仕様チェックなどをしていただくのが最も確実であろうという配慮である。


もっとも、Agileについては発注側にも慣れが必要であるため、強い客先要望が無い限りはあくまでもAgile適用は段階的に行なう事で客先にもなれる時間を与え、より上手なオフショア活用を促進するという手法をとっている。
この辺りも、信念はキャッチフレーズに通ずる。

教育体制

文化的な差異や、業務についての理解不足を克服するため、CUVELではまず入社後の新入社員全てに対して一ヶ月間の研修を行なっている。
研修の内容は、50ページ強のマニュアルを用いた業務講習、専用システムを用いたWebプログラミング実習、総仕上げとしてのプロジェクト実践の三部構成となっている。
業務講習マニュアルは日本語、ベトナム語共に用意されているが、勉強をした社員が他の社員に対して発表するという特殊なやり方を用いている。一章であれば一章を担当する社員を二人決め、その二人が残りの社員に対して一章の内容を発表するというやり方である。


研修完了後は基本的にOJTベースとなる。
日本で多用される名ばかりOJTと同じと思われないよう補足しておくと、まず社員のスキルシート整備を行い、スキルシートを元にしたカウンセリングを行い、その2点を合わせた育成計画の立案を行い、育成計画に基づいた仕事に社員をアサインしていくというやり方をとっている。


教育体制についてはおいおい触れていく機会もあると思われるので、本日はこのくらいにしておく。

まとめ

という辺りでCUVELの自己紹介を終えておく。
まだまだ二年目に突入したばかりの企業で完成しきってはいないが、それを補って余りあるメリットを提供出来るように尽力している次第である。
今後はその尽力っぷりを、Blogを通して書き綴っていこうと思う。

*1:私の管轄外であるため詳細な状況は知らない