chua

ベトナム語には非常に便利な言葉が存在する。
それは、「chua」である。
日本語に訳せば「まだ〜ではない」となる。
例えば「chua co」といえば「まだない」であり、「chua het」ではまだ無くなっていないになる。
例としては「chua lam duoc」、「chua co van de」等があり、前者はまだ作れていない、まだ問題は無いという意味合いである。
※私のベトナム語理解は怪しいので、話半分で聞いておいてほしい。


ベトナム人を見ていると言い訳が多いなと感じる事が多いのだが、おそらくこの言葉がそうさせているのではないだろうかと思うふしもある。
私はまだ技術がよくないので、私はまだ経験が少ないので、といった言葉を多用するのだ。
chua totという言葉は日本語だとまだよくない、英語でもnot good yetとか、長めになる「まだ」をつけるのが非常に簡潔に出来るため、「いつ」の無い「まだ」が多用される傾向にあるのではないかと邪推する。


「これはよくない」と「これはまだよくない」では受け取り方が全然違うし、話す方の気分も違う。
私という個人は刹那主義なので、今よくないものはよくないのであり、今いいものはいいものである。
よって計画性の無い「まだ」という言葉は非常に嫌いではあるのだが、「まだ〜ではない」を一つの単語にまとめたベトナム人はおそらくこの言葉が好きなのだろうと思う。
まさに文化の差異というものだろう。